フルコース展は大阪府立港南造形高等学校第四期卒業生、有志十名によるグループ展です。
テーマとなっている「フルコース」は高級なレストランに限らず、ちょっとした晩餐の際にも用いられる言葉でもあります。また、フランス人の間ではフルコースとは「人生を楽しむ機会」という考えもあります。生きるために必要不可欠な食事。その食事を娯楽としても捉えることを可能としたフルコース。ある種の矛盾を孕んでいるともとれる「フルコース」という存在について十名の作家が考えます。
今回、十名の作家たちはフルコースのメニューになぞらえた作品を制作します。一般的なフルコースのメニューとして挙げられる、食前酒、サラダ、前菜、パン、スープ、メインディッシュ(肉、魚)、デザート(ケーキ、アイス)、ドリンク。これら十品のフルコースメニューの中より作家一人につき一つの担当料理を設定し、各々制作に取り組みます。そして、実際のフルコースでは料理の出る順番が決まっています。作家たちの多岐に渡る表現の作品群に「一つのフルコース」という統一感を与えるという意味で、今グループ展では作品の展示順をフルコースの料理が運ばれてくる順に設定しています。
十名の作家が心を込めて作り上げる「フルコース」。どうぞご賞味ください。